3世代で住むメリット

もし、皆さんの家族(4人家族と仮定)が、どちらかの両親の家に同居すると決めたら、それだけで5000万円から9500万円の節約ができる。
と言われたら信じますか?

逆算思考の重要性で書いたとおり、住宅関連費が家計に占める割合は非常に大きく、たとえ7万円のファミリータイプの賃貸でも、43年間では3600万円に達します。5000万円のマンションでは、ローン総額と維持費で、8000万円にもなります。

両親と同居する場合、自分たちの家は不要になるため、この負担が消えます。
さらに食費、水光熱費の共用化によって、1200万円/43年の節約が見込まれます。

この1200万円の根拠は、総務省発行の家計調査報告(2019.4~6月期)に基づいていて、この報告書によると、二人以上の世帯の一か月の食費は約77000円、光熱水道代が19000円です。

ここで、4人家族に両親の2名が加わっても、食費は1.5倍にはならず、せいぜい1.3倍です。
水光熱費は基本料金が高いため、もっと小さい差になります。

食費77000円の1.3倍は10万円。よって、その差額の23000円×12か月×43年=約1200万円になります。

同居の恩恵はそれだけではありません。
冷蔵庫、洗濯機、エアコン、電子レンジ、掃除機といった家電製品も1つで良いので、数10年のスパンで見れば、200万円程度は節約できることになります。

ここで先ほどの表を書き直してみましょう。

①生涯年収(43年)3億円2億円
②税金・社会保障費-6000万円 -4000万円
③子育て・教育費 -4000万円(2人)-2000万円(1人)
④食費・水光熱費 -6200万円 -6200万円
⑤通信・交通費-2000万円 -2000万円
⑥生命保険・自動車関係 -3000万円 -3000万円
⑦ 65歳定年時の残高 8800万円 2800万円
⑧ ⑦の年間余剰資産 204万円/年 65万円/年
⑨ ⑧の月間余剰資産17万円/月5.4万円

生涯年収3億円の方は、老後の心配がほぼ無い状態に改善しました。
2億円の方も、先ほどよりもずいぶん楽になり、子供も2人育てられそうです。

ただ同居となると、嫁姑問題が考えられます。

しかしこれだけ節約できるのであれば、両親の家を、それぞれの世帯が気を遣わなくて済むように1000万円かけてリフォームをする、というのも十分に合理的な判断といえます。

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