約1年前、5G通信の実現で生活ががらりと変わる!と大々的に騒がれていましたが、最近はトーンダウンした感があります。
半年前の総務省の発表では、今年のオリンピック前にはサービス開始となっていますが、先行している 米国、韓国、欧州、中国の状況はどうでしょうか?
米国では、wall street journalのビデオにもあるように、2019年時点で、米国主要4都市に導入されているだけで、全米に広まるには10年はかかり、それまでは4Gが主流とのこと。
韓国は、世界で最も早く5Gを導入した国の1つで、2019年末までに500万人の加入が見込まれ、それなりに普及しています。
ただし、wall street journalの記事によると、現在の1Gbpsだと体感速度はLTEとたいして変わらず、期待外れとのこと。
欧州では、スイス、イタリア、スペイン 、イギリス、ドイツが導入していますが、結果は以下の通り。
スイスでは5G化が進んでおり、すでに国民の90%に普及しているとのこと。通信速度は韓国と同じ1Gbpsですが、近く2Gbpsに向上する予定です。ただし、電磁波が悪影響を与えるとのうわさもあり、反対運動も起こっています。
イタリアは2019年末になっても、Huawei機器の問題で5G化はあまり進んでいませんが、ミラノなど5都市で導入されています。
スペインはマドリード、バルセロナなど5都市で展開しており、今後数か月で新たに5都市、増やすそうです。
英国は、国内の混乱から、Huawellによる5Gの導入を次期政権に託しましたが、すでにロンドンなど6都市には導入されています。
ドイツでは、すでに12都市以上で、vodaphoneの5Gが稼働しています。
なお、欧州はHuawei問題にも敏感なため、安全上の懸念も見え隠れします。
唯一、飛びぬけて導入事例が多いのは中国で、日経の記事によると、2019年末までに50都市、13万基地局を整備するとのこと。アメリカとのHuaweiの問題もあったので、国家の威信をかけて導入した結果でしょう。
以上まとめると、各国とも、ほぼ予定どおり5Gの導入は進んでいますが、1Gbpsだと、現在のLTE(LTE-A)と体感速度は変わらず、メリットは少ない、と言ったところでしょう。
日本でも始めは1Gbpsからのサービスになるので、少なくとも今年(令和2年度)は飛びつく必要は無いと思います。
それでも2019年末までに5Gの商用利用を開始した国は世界19か国に上り、G7で導入していない国は、日本、フランス、カナダの3か国だけ(qualcomm調べ)なので、ちょっと出遅れ感はありますね。
さらに詳しく知りたい方は、少し古いですが、この記事(日本語)もしくは、本格的に調べたい方は、Europian comissionによる正式なレポート(英語)もどうぞ。
“5G通信、各国の普及状況をみると過度の期待は禁物。” への1件のフィードバック