持ち家か借家か論争に終止符を!第3の選択肢があった。-vol.1-

昔から、持ち家が有利なのか、借家の方が良いのか、延々と議論されてきましたが、実際のところはどうなのでしょうか?

結論から言うと、持ち家も借家も100年以上共存しているということは、優劣は無い。ことになります。

もし、どちらかが有利なのであれば、3,4世代で差がではじめ、5,6世代もすると大きな差になるはず。

テレビの場合、液晶かプラズマか、という時期が数年ありましたが、重さや消費電力の差が解消できず、10年足らずで決着がつきました。

スマホではAndroidかiPhoneか、という話ですが、それぞれに独自の利点があるため、2007年の初代iPhone発売から10年以上経っても、それぞれがシェアを持っています。

なので、持ち家か借家か未だに決着がついていないということは、それぞれに独立した利点があるため優劣は無い、となるのですが、それは期待された答えではありませんね。

優劣がつかないのであれば、別の解を見つける、という発想はどうでしょう?

例えば、地方都市の郊外に3000万円で持ち家(新築)を買ったと仮定します。

新築の場合、一軒家でもマンションでも買った瞬間から値下がりし始め、例えば15年後の売買成約価格は、新築時の7割~6割の値段になります。(下図参照)

REINS TOPIC 築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2017年) から抜粋

一軒家の場合、15年も経つと、壁や屋根のメンテナンスで、200万円程度の出費が必要です。マンションの場合は、修繕積立金のアップが考えられます。

国土交通省の資料によると、滅失した住宅の平均築後年数は、30年。

これは、30年ローンで家を買って、払い終える時にはその家が滅失(取り壊すか価値が無くなる)状態になっている事を意味します。

不動産購入時に、なぜか考慮されませんが、不動産は、買い手が見つかるまで手放すことのできない資産です。

一軒家なら数100万円かけて、取り壊して更地にすることができますが、マンションの場合は、持ち主の4/5以上の同意が無ければ、取り壊しや建て替えができません。

30代でマンションを購入したとすると、30年後には、60代の高齢者が入居するマンションになっています。

高齢者、つまり年金生活者が多いということは、収入が年金だけの場合がほとんどですから、建て替え=大きな出費は不可能に近く、設備やインフラが古くなったマンションに、ずっと税金や維持費(修繕積立金など)を払い続けることになります。

こうなるともう、資産ではなく負債です。

わかりやすい実例のHPを見つけましたのでご紹介しておきます。これはリゾートマンションの例で極端にみえるかもしれませんが、程度問題で、一般のマンションにも当てはまります。

だったら賃貸の方が良いかと言えば、そうでもありません。

当然ですが、月々の家賃を一生払うわけで、もし払えなくなった場合、別の賃貸住宅に引っ越そうとしても、高齢者を受け入れる優良な賃貸住宅は、とても少ないのが現状です。(大家の気持ちになって孤独死リスクを考えると分かります)

ここで発想を変えて、3000万円で家を買うかわりに、3000万円分、J-REITを購入するとします。

たとえば、15年前の2005年に登場したフロンティア不動産投資の場合、当初から4%前後の分配金利回りを維持し、2020年直近の分配金利回りは4.65%なので、15年間この利回りで計算すると、

3000万円×0.0465=139.5万円。 月々では11.6万円の分配金が得られます。

SBI証券のHPから抜粋(2020.01月)

この11.6万円は、3000万円を原資としたテナントからの店賃と考えられるので、実質的に家賃収入です。

この家賃収入11.6万円は、相当な都会でもない限り、ほぼ好きなところに住める金額です。

もし、自分の実家で親と同居中なら、この139.5万円も再投資して、複利で運用することもできます。

その場合、72の法則(金利×年数が72になると元金がほぼ倍になる法則)から、
72/4.65=15.5年

つまり、15年ちょっとで元本分を取り戻して、もし16年目以降に運営会社が破綻しても、損はしない計算になります。

J-REITは発足から19年経ち、60を超える銘柄までに増えました。

発売当初より値上がりしているものも多く、今までに破綻した会社は実質2,3社です。

買うと必ず値下がりし、維持費がかかり、売れるまで持ち続けなければならない持ち家よりも、はるかに安全な選択であることが分かります。

vol.2に続く

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