3日前、突然の安倍首相辞任のニュースが流れましたが、安倍首相って、海外ではどのような報道され、どんな評価だったんでしょうか?
世界の主要なニュース記事から、日本とは違う安倍首相像が見えてくるでしょうか?
まずはCNN。チクリと、multiple scandals のため plummeting popularity.としながらも、アベノミクスから東京オリンピック誘致、人物評まで、概ね好意的な内容であり、各国の首相の賛辞の言葉で締めています。
つぎはBBC。CNNと同じく、実績の回顧に紙面を割いた後、後継者候補を挙げて、None are expected to deviate significantly from the government’s current policies.という日本的な落としどころを良く理解しています。
ニューヨークタイムズも同様の内容。「変革のリスクよりも、安定を最優先した首相だった」、と日本国内の評価と同じような評価です。
アジアの国はどうでしょう。
気になるのが、国民感情があまり良くない中国と韓国。
まず中国で外せないのが国営通信社の新華社。
ここの日本語サイトを見ても、なぜか安倍首相辞任のニュースはありません。
英語サイトには沢山の記事がありますが、辞任の事実の列挙にとどまっています。
それでも東京新聞の記事(リンク切れ)によると、「長期政権でも政治的遺産はなし。アベノミクスに尽力するも新型コロナで帳消し。改憲に意欲を示すも実現できず、日本の軍事の制限を弱めた」との総括です。
Globaltimesでは、中国人は安倍首相を嫌っているとしながらも、中国と日本はもっと緊密になるべきだ、なぜなら日本は中国の最大の貿易相手国なのだから、と言った内容が書かれています。当然、靖国問題やアメリカの属国のような書き方もしていますが、基本的に気を使った内容となっています。
韓国はどうかというと、The Korian times では、タイトルからして、緊張関係を解くのは困難 ”to make strained ties difficult for next PM”とのこと。
文大統領も、”will cooperate with the next prime minister to advance bilateral friendship.” と、次の首相で関係改善したいと言っています。
ソウルReuterニュースでも、韓日関係を改善するために次のリーダーとの関係を続けるとあり、ソウル新華社ニュース(Xinhua)には、韓国の政治家やメディアは、日本との関係改善を望んている、とあります。
親日派の多いフィリピンでは、Pilstarで、デュテルテ大統領との会談が全面に押し出され、「辞任はとても残念、1日も早い回復を」、との感傷的な内容で占められています。
EUもアメリカと同様ですが、NewEuropeで意外にも、自衛隊(SDF)をJapanese troops(日本軍)と表現し、第2次大戦後初めて、日本軍が海外で戦うことを許可するように憲法解釈した首相。と複数のメディアで記載ありました。
どうも、中国とEUは日本の軍事にはかなり敏感なようです。
日本の軍事力は世界5位とされているので、これも仕方ない事かもしれません。
以上まとめると、ほとんどのニュースには、Abenomicsの文字がおどり、安倍首相の実績=アベノミクスとの認識は、日本と変わりないようです。
それ以外は、リオオリンピックでのマリオの恰好をした、おちゃめな首相といったイメージでしょうか。
結論としては、世界の評価も概ね日本での評価と同じですが、自衛隊の海外派遣を、日本軍の海外での戦闘を許可した、と理解されているところは、少し違和感を感じますが、そう感じるのは日本人だけかもしれません。
でも興味はすでに、マリオ首相から次の首相は誰か、に移っているところも日本と同じと言えそうです。