本日岡山市中心部の市街地で、重さ100㎏のコンクリートのブロックがビル3階から一般道に落下する事故が起きました。
原因はビルの老朽化で、道路に張り出したヒサシ部分が落下したとのこと。
幸いその下に通行人がいなかったので、事なきを得ましたが、もし通行人いたら即死の大事故でした。
恐ろしい事に、その隣のビルのコンクリートにも亀裂が見つかったそうで、現在そこは通行止めになっているそうです。
内閣府規制改革推進室によれば、安全対策が義務付けられていない築32年以上のマンションは全国に106万戸あり、その中で建て替えられたマンションは、たった182戸しかないそう。
つまり、100万戸を超える危険なマンションが放置されている状況です。
危ないのはマンションだけではありません。
商業ビルから老朽化した看板が落下したり、陸橋からコンクリートが落下した事件もあります。
ちなみに、”ビル、落下、老朽化”でググると、出るわ出るわ、20万件を超す記事がヒットしました。
つまり、都市に住む人々は、
コンクリートが空から降ってくるようなところで暮らしている。
と言うことになります。
危ないものは上からやって来るだけではありません。
3年ほど前、博多の道路が大きく陥没するニュースがありましたが、これは地中の下水管が腐食して穴が開き、そこに土砂が流入して地中にぽっかり穴ができて、道路が陥没したとのこと。
インフラ調査業者によれば、「 首都圏や政令都市の地下には空洞が多発している状態」だそう(ジオ・サーチ調べ)。つまり私たちは、
落とし穴だらけの道を、毎日通って生活してる。
とも言えます。
道だけでなく、橋の多くはコンクリートでできています。
橋は全国に73万橋あり、50年を超えた橋は崩落の危険があるのですが、メンテナンスが追い付かず、つぎつきに通行規制や通行止めになっているそうです。
このように、高度経済成長のインフラ整備ラッシュから50年を超えた現在、日本中のインフラが老朽化を迎えています。
しかし、既存のインフラを生かしたまま、設備を刷新することは容易ではありませんし、過疎地のインフラをどうするか、とても大きな問題です。
厚労省健康局水道課の資料によると、日本の水道事業の資産価値は40兆円。
建設・改良事業費は毎年約1兆円なので、単純計算で40年かかることになります。
道路に関しては、国交省の資料によると、国内の全道路延長距離は120万km。
地球1周が4万kmなので、なんと地球30周分にもなります。
因みに、首都高速の補修費だけで年間200~300億円かかっているので、気の遠くなるような時間とお金が必要なことが分かります。
しかし見方を変えれば、閉塞感のある日本でも土木建築業界は、今後も数10年に渡って需要が大きいことを示しています。
お子さんの就職先を考えると、土木関係は大きな魅力かもしれません。
こんどは、今後50年、100年先を見据え、計画的なインフラ整備をしてほしいです。
ちなみに国土交通省の資料によると、道路の内訳は、高速道路と国道は全体の2.6%、都道府県・政令市管理の国道が2.6%ほど、残りの94.8%は都道府県・市町村道だそうで、ほとんどが地味な小さな道路だとわかります。