今年2月から本格的に流行しているコロナウイルス、ヨーロッパやアメリカでも封じ込めに失敗した感があり、3月になっても全く収束する気配がありません。
もしこのまま4月まで状況が変わらないか悪化する場合、経済損失がどれくらいになるか、ざっくり計算してみました。
前提は、5月末には収束し、オリンピックは実施されるです。
影響が大きいと思われる5項目をざっくり計算したところ、4.7兆円。
内容 | 金額(兆円) | |
1 | 国内旅行 (オリンピックあり) | 2 |
2 | インバウンド消費(オリンピックあり) | 0.7 |
3 | 交通機関(新幹線、飛行機、バス) | 1 |
4 | ゴールデンウィーク(GW) | 1 |
5 | イベント(マラソン、コンサート等) | 0.2 |
一つづつ見ていきましょう。
官公庁発表の資料によると、日本人の国内宿泊旅行による旅行消費額は16兆円。これは、インバウンドの3倍強にあたります。
後で説明しますが、3月期の新幹線の予約は半減、地方の ホテル予約も半減していることから、16×1/4×0.5=2 つまり2兆円の経済損失。
インバウンド需要は、国内の約1/3なので、0.7兆円。
国外への旅行も当然減りますが、これは次の交通機関の影響で考慮します。
まず新幹線を見てみましょう。
私は毎日、新幹線通勤をしているのですが、2月28日(金)朝の新幹線は↓写真のように異様でした。
週末はいつもなら、大阪や東京への出張帰省で、自由席は1車両に2,3席しか空席はありません。しかしこの日は御覧の通り。2/3以上が空席です。ちなみに1週間後の3月6日はもっと少なく、指定席には3人しかいない車両もありました。
日経オンラインの記事によれば、2020年の東海道新幹線の3月の新幹線の指定席券の予約状況は前年比5割減。 これが3か月(1/4年)続くと仮定します。
国交省資料によると、新幹線利用者は年間3億人、航空機利用者は9000万人なので、新幹線の平均利用額を1万円、航空機の平均利用額を2万円とすると、
1/4年×0.5×((3億人×1万円)+(0.9億人×2万円)=0.625兆円。
在来線、バス、タクシーが、この半分を占めるとすると、合わせて1兆円になります。
今年のGWは、ほぼ絶望的です。始まる1か月前に予約が完了しているとすると、3月28日、あと3週間しかありません。
3週間で収束の目途が立つとは思えませんので、経済効果は去年の半分として1兆円。
次にイベント。
マラソン大会の経済効果はすさまじく、この資料によれば、東京・大阪・京都・神戸マラソンの経済波及効果は合わせて、470億円。
熊本城マラソンのような1万人規模のマラソン大会でも6億円なので、100以上ある地方マラソンを合わせると600億円超。 マラソンは2~4月に集中しているので、合わせて1000億円。
コンサートなどのイベント費用は、武道館だと約2億円。このクラスのコンサートが5回/月あれば、30億円。
この記事によると500人規模のコンサートだと150万円なので、大小平均して全国で3000程度/月あると仮定すると3か月で130億円。合わせて160億円。
音楽イベント以外に、スポーツ、企業の展示会、映画、舞台/鑑賞など、同額とすると×5で800億円。マラソン大会と合わせて2000億円となりました。
ワイドショーではイベント中止が大々的に報道されているので、経済損失が大きいかと思いきや、他と比べると、思ったほどではありませんでした。
ここで政府観光局が発表した外国人旅行消費額(↓グラフ)を確認してみると、2020年の推定額は8兆円です。
前年の2019年が5兆円弱なので、オリンピック需要は、旅行消費だけで3兆円が見込まれていることがわかります。
日本経済への影響を考えると、オリンピックは、何が何でも開催しないといけませんね。