同性婚は日本では出来ないし、戸籍の性別変更にも高い壁がある。でも不可能ではありません。

少し前、LGBT運動の高まりで、同性婚や性同一性障害の方の性別の変更がクローズアップされていました。テレビでも連日特集されていたので、視聴された方も多いと思います。

現実的な話、これらは日本で可能なのでしょうか?

まず一般的な結論から言うと、同性婚は現状無理で、性別の変更には非常に高い壁があります。

日本国憲法24条には、「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、…」という文言があるため、同性婚を実現するには、憲法を改正する必要があります。

特別な法律か何かを作って、これを回避できるんじゃないか?と思う方もいるかもしれませんが、できません。

安倍首相が憲法9条改正に、やっきになっていた事を考えればわかるように、法律で憲法の解釈を変えることはできません。逆はありますが。
(正妻以外の子が財産を相続する際、正妻の子の1/2しか相続できないのは、憲法14条「全ての国民は平等」に違反するとして、数年前に民法が改正されました)

同性婚を実現するためには、国会の両院で2/3以上の賛成ののち、国民投票で、国民の過半数の賛成を得て憲法を改正する必要があります。

それでは、憲法改正の可能性はあるでしょうか?

日本は、日本国憲法が施行されてから70年以上、一度も憲法を改正しておらず、こんな国は世界では、ほぼ日本だけです。これだけでも可能性は低そうです。

また、世の中は、メリットとデメリットの均衡で動いています。

交通事故で、新型コロナの何十倍の人が無くなっていても、自動車の運転を禁止するデメリットの方が、はるかに大きいため、自動車禁止にはなりません。

この記事にも書きましたが、一日に何万人もが3密状態になる満員電車は全く規制されず、飲食店や娯楽施設などが規制の狙い撃ちにされるのも、同じ理由からです。

そう考えると、同性婚を認めるメリットと、それを実現させるための憲法改正、法整備の労力を比べれば、実現の可能性はとても低いことが分かります。

性別の変更には、もっと高い壁があります。

現在、日本で戸籍の性別を変更するためには、以下の条件が必須です。

・生殖腺がない事、又は 生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること
・其の身体について他の性別に係る身体の性器にかかる部分に近似する外観を備えていること(ただし、女性→男性は、子宮卵巣摘出のみでも可)

つまり、子孫を残せない体になる必要があり、外観上も別の性になるということは、一生、ホルモン治療を続けるということになります。

個人的には過酷な条件の気がしますが、現実社会での適応を考えると、認めざるを得ません。

もし、体は男のままでも女性であると認めると、女子トイレはどういう状態になるでしょうか?

温泉や銭湯やプール、更衣室はどうでしょう?

悪意のある男性と、本当にトランスジェンダーの人とを、一目で見分けることはできるのでしょうか?

見分けられたとして、一緒に銭湯や温泉に入れるでしょうか?

解決方法は1つしかありません。

国民の同意を得て、全てのトイレ、更衣室、銭湯、温泉を、男女共同にすることです。

それと、体は別性のまま性別変更を認める事とのメリットを考えると、残念ながら答えは明らかです。

では、同性婚や別性への変更は、あきらめるしかないのでしょうか?

同性婚に似た制度としては、多くの市町村で導入されている、パートナーシップ宣言制度がありますが、残念ながら法的な効力はありません。

同性婚が認められた外国で結婚するのはどうでしょう?

日本人同士が、海外で結婚することは可能で、その場合、その国の制度によっては同性婚は可能と思われます。

でも、外国で婚姻が成立しても、日本の法律にのっとった戸籍記載の手続きは必要ですので、ここでどう判断されるかは判りません。

戸籍は、日本と韓国にしかない特殊な制度のようですが、こればかりは現状、どうしようもありません。

では、思い切って国籍を変えるのはどうでしょう?

国によっては、国籍はお金で買えるので、例えば、ドミニカ共和国は10万ドル、EU加盟国であるマルタは35万ユーロで国籍を買うことができます。

マルタの国籍を取得すれば、同性婚は可能だし、生殖能力の不在要件もないので、現性の体で異性になることも可能です。

外国人同性結婚者の日本での扱いは、Wikipediaによれば、

”民間の同性配偶者についても、事実上異性配偶者と同様の日本入国および在留が認められている。”と記載があるので、日本国内で普通の結婚生活を送ることができます。

マルタの国籍取得には、マルタでの居住経験や言語の制限がないので、金銭面以外は敷居が低いと言えるでしょう。

Valletta, Malta

よく、日本は2重国籍を認めていないので、日本国籍は放棄する必要がある、と言われますが、これはウソ!

詳しくはこの記事を読んでください。一言で言うと、意図的に外国籍を取得する以外は、2重国籍は認められる、です。実際、私の周りにも2つの国籍をもっている大人は何人もいます。

でも今回の場合は、目的からして日本国籍の維持は矛盾しますね。

しかし、こんな場合はどうでしょう?

もし、2人の男性が同性婚をするため、1方が、意図的にマルタ国籍を取得して日本国籍を離脱。その後、マルタの法律にのっとって、日本国籍の方の男性と結婚(同性婚)すれば、元日本人の方にも日本国籍が与えられます(たぶん)。

日本で戸籍登録する場合、元から日本国籍の男性は、当然男性のままですので戸籍上は男性、では結婚相手の性別はどう登録されるのでしょうか?

話が飛躍しすぎました。

日本国内での実生活において、外見と服装が女性(男性)なら、トイレや更衣室の使用は、外見の方を使用して問題ないと思われます。(パスポート=身分証明書上、正しい性の方を使用しているので)

アメリカでは州ごとに異なりますが、バスルーム法により、トイレは自分の考える性の方が合法的に使えるようなので、今後日本でもそうなる可能性はあります。

くしくも本日(2月20日)、アメリカで、The Equality Act (いわゆるLGBT平等法)の可決に向けた迅速な動きが開始しましたので、バイデン大統領のtwitterを貼っておきます。

日本ではまだ、男性の体で、女湯やプールの女性更衣室(またはその逆)に入るのは、体の性に従っておくほうが無難でしょう。

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