先日ニュースを見ているとき、息子から、こんな質問をされました。
「円高ってなに?」
私たちも、頭では分かっているつもりですが、いざ中学生高校生にも理解できる言葉で説明するのは、なかなか難しい。
なにせ彼らは為替という言葉は知らないし、”金額が大きい方が円高でしょ?”って感じなので。
息子にいろいろ説明しているうち、”これだっ!”という説明ができたのでご紹介します。
まず円とドルの関係で説明します。
ここでドルをドール(doll:人形)というモノに置き換えるのがミソです。
今日を仮に12月20日として、1ドールが100円だとします。つまりサンタの人形が100円で買えるということです。
数日後のクリスマスイブ(12月24日)にお店に行くと、今度は1ドールが120円になっていました。つまり20円の値上がりです。
ああ、20日に1ドール(サンタの人形を1つ)100円で買っとけばよかった。
ところがその2日後、クリスマスを過ぎると1ドール50円で売っていました。クリスマスであまり売れず、売れ残ったようです。
手元には100円あるので、2ドール 買えます。即買いです!
100円を基準に考えると、クリスマスイブだと1ドールも買えなかったのに、クリスマス翌日だと2ドール買えたのです。
言い換えれば、
イブだと100円では1ドールも買えないくらい100円の価値が低かった( 実際には ドールを欲しい人が多くてドールの価値が上がった)のに、クリスマス翌日は、2ドール買えるくらい100円の価値が高くなった。(クリスマスが過ぎてドールの価値が下がった)ことになります。
もうお分かりでしょうか?
円が高い、低いというのは金額ではなく、ドールに対して円の価値が高い、低い事なんです。
2ドール買えてラッキーだった私ですが、さらに2日経つと、元の1ドール100円に戻っていました。お店の人は、正月の福袋に入れて売れば良い事に気づいたようです。(つまりドールの価値が元に戻った=円の価値が下がった(円が弱くなった))
26日に買った2ドールのうち1ドールは未開封だったので、お店に1ドール持っていき100円返金してもらいました。なにせ今日は1ドール100円なので。
ここまでをまとめると、
26日に100円で2ドールお店から買って、28日に1ドールを100円でお店に売った。つまり1ドール、”ただ”で手に入れたことになります。
ここでドールをドル(ユーロでも構いません)に言い換えると、
1ドル50円(円高)の時に、お店で2ドル=100円分を買って、1ドル100円(円安)の時に、持っていた1ドルをお店に売って100円を手にした。になります。
お店は為替市場に相当します。
これはうまくいった例ですが、
1ドール50円で2ドール買った後、翌日には1ドール33円になって、実は100円で3ドール買えたかもしれませんし、
1ドール120円になった後、さらに200円まで円の価値が下がって(円安)、1ドール買うのに200円いるようになったかもしれません。
お分かりいただけたでしょうか? これが為替取引です。